コミュニケーションの上手い下手と洞察力
コミュニケーションのポイント
多くの人はコミュニケーションをとるときに何をヒントにしているのでしょうか?
言葉で発せられる情報だけを頼りにしている人が少なくないのではないかと思います。一方で我々が人の好き嫌いを区別する要因は「発せられる情報」と同じではありません。情報に価値がなくても情報には興味がなくてもその人と良好な関係を築いたり、コミュニケーションを上手に交わすことはできるのです。
1.その人のあり方
以外に見落とされがちなのは「あり方」です。遠目に見てもその人のあり方がわかるときがあります。
暴力的な人・我慢ができない人・誠実な人・弱々しい人・だらしがない人、、、これはその人の歩き方や人とのすれ違い方、服装、髪型、お化粧などから察することができます。髪の毛に埃がついていても科学者なら許されるかもしれません。でも、スタイリストだとしたら信用を失ってしまいます。我慢ができずにイライラしている人が茶道の先生やマナー教室の先生というのも違和感があります。その人のあり方から滲み出てくる個性がコミュニケーションのベースにあります。洞察力を学ぶと普段意識されない仕草や髪型、服の乱れなどに意識が向くので自分自身のあり方にも注意できるようになります。
異業種交流会にいるあり方NGの人
最近、異業種交流会に参加して人脈を増やそうとしている人をよく見かけます。自分自身の思いやビジネスを多くの人に知ってもらうことはとても大事です。ただし、「あり方」を気にせず参加している人が多いように思います。コンサルタントを名乗る人がお金がない様子だったり、コーチングをしている人が目的がしっかりしていなかったり、暗いカウンセラー、センスのないファッションアドバイザー、、、これでは悪名を広めるために異業種交流会に参加しているようなものです。まず自分自身のあり方を考えてみるきっかけにしていただけたらと思います。
2.言葉の種類
「はじめまして。私は◯◯と申します。」そんな言葉遣いでご挨拶するのは悪いことではありません。でも、何度あっても「さようでございますか」のような受け答えをしていたのでは人と仲良くなれません。プライベートの言い回しや方言、スラング、業界用語、赤ちゃん言葉まで言葉の種類は様々です。洞察力を発揮してよく聞き分けていると人は幾つかの言葉の種類を使い分けています。フォーマルとプライベート。標準語と関西弁。一般用語と専門用語。そして驚くほど言葉の種類が変わると性格も変わるのです。洞察力講座ではその言葉の種類が変化する点を見極め、相手のモードの切り替わりを察知します。普段無意識に使っている言葉でも種類を変えてみるだけでコミュニケーションの質が変わります。
オノマトペ(擬音語、擬声語)
「ぎゃー」「カランコロン」「サクサク」「ドキドキ」このような言葉をオノマトペと呼びます。川上から大きな桃が揺れながら流れてきました。というよりも川上から大きな桃がドンブラコドンブラコと流れてきました。といったほうがその時の様子がリアルに伝わってきます。一般にコミュニケーションが上手な人ほどオノマトペをよく使います。適切なオノマトペを一つ使うだけでも相手からの印象が大きく変わるのです。
3.身振り
いわゆるボディーランゲージで伝えたいことを表現することが多い人がいます。ボディーランゲージは言葉だけの表現を補う力がありますが、それだけではありません。身振りが一致すれば目に見えない同調が生まれ相手と仲良くなることもできます。逆に「そうだね」と言いながら首を横に振る人もいます。そういう人は相手に変な違和感を与え、なんだか信用できない人。とか頼りな人という印象を与えてしまいます。そして大事なことは人は自分の身振りに注意を向けていないのです。
ダンスや踊りの一体感
一緒に同じリズムに乗ってダンスや踊りを踊ると人は心の壁が壊れ仲良くなります。マサイ族やマオリ族などは部族の踊りが有名ですが、全員で同じ動きをすることで連帯感を作り出し、部族を一つにまとめてきたのかもしれません。
4.発声・滑舌
発生などでも人は多くのやり取りをしています。自信がないから小声になったり、嘘をついている時に声のトーンが変わったり、声が響いたりと人の声は感情を表しやすい傾向にあります。洞察力によって、声の変化に気づくことができれば、その人のやる気がなくなった瞬間や気持ちが入った瞬間がわかります。また、滑舌の悪いさは意識できないレベルの小さなノイズとなっています。プラスに作用すれば印象に残りやすかったり、親しみやすさを生むこともありますが、マイナスに作用すれば滑舌が悪くなった瞬間に聞き手の集中力が途切れ、伝えたいメッセージがうまく伝わらないこともあります。
5.呼吸
私たちは無意識に呼吸をしていますが、呼吸の乱れは相手と連動してしまいます。呼吸を止めているような緊張感がある人は相手を緊張させてしまいますし、呼吸が乱れている人と一緒にいると自分の呼吸も乱れてしまいます。逆にこちらの呼吸に相手が合わせてくれるようになれば相手を落ち着かせたり、優しい気持ちにすることもできます。
洞察力とコミュニケーションまとめ
コミュニケーションのポイントは上記以外にもたくさんあります。大事なことは「言葉として発せられる情報」だけで人はコミュニケーションをしているわけではないということです。身振りや視線、呼吸の変化などさまざまな無意識的な動きのメッセージとなって伝わってしまいます。洞察力を学ぶことで無意識に感じ取ってしまっていたメッセージを意識することができます。「なぜ、あの人の前に行くと緊張するんだろう?」という苦手意識も「あの人が緊張しているから私に緊張が映っている」と理解できるとそれほど大きな問題ではなくなります。