洞察力を仕事に生かす5つのコツ
1.観察よりも深く読み取る洞察力
洞察力という言葉はあまり普段使わない言葉かもしれません。
空気を読むとか察するとか、相手を観察するという言い方をする方も多いかもしれません。「観察」と「洞察」はどこが違うのでしょうか?
そして、営業・面接・職場の人間関係など仕事にどのように生かしたら良いのでしょうか?
「洞察」には「観察」が欠かせない
相手の所持品をよく観察する
所持品をよく観察することによって、好みだけでなく、服装の乱れ、生活の乱れ、几帳面さなどが読み取れます。例えば、爪の汚れを見るだけでもその人の生活を伺うことができますし、ひげや髪の毛についたホコリなどからその人の生活がどれくらい乱れているかを察することもできます。
相手の表情をよく観察する
表情は細かいニュアンスを読み取るには絶好の観察対象であると言えます。特に相手が洞察力がない場合にはこちらが一方的に観察していることに気づかれることもまずありません。言葉を思いついた人は口元が無意識に動きますし、軽い催眠状態(変性意識状態)になると目が空中をボォーっと見つめるようになります。(洞察力講座では実際の動画を見ながらこれを学びます)
相手の仕草から脳内の論理構造が見える
観察力も上級者になると「サッカーで自分がシュートを決めた場面」を想像しているのか?「サッカーを観戦している場面」を想像しているのか?「耳年増なだけで経験がないのか?」などを読み取ることができます。シュートを決めた場面を想像しているなら隣で一緒に喜ぶようなリアクション。観戦なら一緒にサッカーを見るようなリアクション。経験がないならスルーするか、より臨場感が思い出せるような話し方。と対応の仕方も変えることができます。
その他の観察ポイント
もしも、相手の自宅やオフィスに入ることができたら、コピー機や自動販売機、照明などを観察したり、整理整頓の度合いから相手の懐の緩さや判断力を読み取ります。セールスをされなければ買わないようなものがあった場合には新たな商品を買ってもらえる可能性が高いかもしれません。
「観察」の先にある「洞察」
ある程度「観察」によって相手を知ることができたら、いよいよ「洞察力」を発揮することができます。発見した様々な手がかりや気づきを総合して、より深い部分を推測するのが洞察です。過去の経験や先輩からの情報、パターンなどを上手に利用して、裏にある情報、状況、心情を読み取ります。
2.「わかったつもり」が洞察力の成長を阻む
パートナーが美容院に行って髪型が変わったのに気づかない。それでは「洞察力」があるとは言えません。取引先の気持ちが揺れ始めているのに大丈夫だと決めつけてしまっているのもダメです。
私たちは「わかった」「把握している」と思っていると相手をよく見なくなります。つまり、前述の「観察力」が低下するので洞察どころではなくなってしまうのです。
脳は「わかったつもり」とサボリたがる
私たちの脳は新しい情報を脳内に入れて、処理するのが大変なので隙を見てサボろうとします。知っている人の前では「その人すでに知っているからよく見なくて良いよ」「その話はわかっているからしっかり聞かなくて良いよ」と「わかったつもり」になってサボリます。洞察力を鍛えるにはその「わかったつもり」をやめないといけません。
五感や心の奥深さ
私たちの目は鍛えれば、鎖骨のあたりの脈拍を見ることができます。白目の色が「真っ白」「薄いピンク」「充血」と変化していることも見分けることができます。耳も同じです。電話相手が座ったり、横になったり、姿勢を変えている様子が声の変化する音から聞き分けられます。「わかったつもり」を止めると色や音、手触り、温度、リズムなど様々なものを「観察」し「洞察」することができます。
3.空気が読むための洞察力
いわゆる「空気が読めない」と言われてしまう人に共通しているのも「洞察力」のなさです。運悪くこの「空気が読めない」人が営業や人事担当、接客業などについてしまうと「洞察力」のなさが致命的な差になってしまいます。
洞察力は誰にでもトレーニングできる
実は洞察力は誰でも後天的に鍛えることができます。空気が読めないタイプの人には何種類がパターンがあります。例えば、幼少期に一人で遊ぶことが多かった子供の一部に自問自答が好きな子がいます。一人で脳内で言葉をぶつぶつと言っているのです。そういう子は大人になっても相手をじっくり観察することができず、脳内でぶつぶつ言っている時間が多くなります。観察をしていない時間が普通の人の半分以下(当社実験による)なので重要な情報、つまり空気を読み取ることができません。しかし、その癖を改善するだけでも飛躍的に空気が読めるようになります。洞察力は後天的にトレーニングが可能なのです。
空気が読めることのメリット
空気を読めると相手の気持ちや脳内処理が見えるようになってきます。社交辞令で話をしているな。と思ったら無理に話題に入り込まないようにしたり、気持ちを汲み取って拾ってあげることもできます。営業を始め、管理職、婚活、就活などさまざまな場面で「洞察力」を身につけて空気が読めるようになることが大きなメリットにつながります。
4.洞察力の鍛え方
洞察力はどうやって鍛えたら良いと思いますか?
実は考えている時間が長いだけ、洞察力は低下していきます。まずは駅などで見かける人をじっくり観察してみてください。パン屋さんの前では多くの人が歩く速度が遅くなります。ぶつかりそうになった時に「ごめんなさい」と思っている人と「このやろう」と思っている人は観察していると区別がつきます。
1:1の商談などでも同じことが言えます。相手はそわそわしているかもしれませんし、気が散っているかもしれない。何か別のことが気になって、チラチラと関係ない方向を見ているかもしれません。そんな風に相手を観察し、心を察することをしていると洞察力が高まってきます。もちろん、何をどのように観察したら良いかは本格的に学ぶことも可能です。
5.仕事での活用方法
洞察力がある人とない人とでは仕事の上で何が変わってくるでしょうか?
やり直しが減る
洞察力がない人は相手の話をよく聞けません。自分では聞いているつもりでも聞き方が自分本位で勝手な解釈をしているので後になって「そうじゃないんだけどな」とやり直す羽目になります。洞察力を習得することでその無駄なやり直しを減っていきます。
面接時にその人の癖や性格がわかる
面接などの短い時間でも「洞察力」を発揮すれば、相手の癖などを見抜いたり、本音を引き出すことができます。「洞察力」を身につけた人材派遣会社の人は紹介する人の取扱説明書を作って、紹介先の会社にプレゼンをします。紹介された会社は最初から「洞察」済みの情報がもらえるのでその派遣社員との関わり方がうまくできます。
営業、人間関係などがうまくいく
今まで表面的に関わっていた人の心が読めるので「あなたほど理解してくれた人は他にいませんよ」と言われるような人間関係を作ることができます。もしろんセールスもうまくいきますし、恋愛、介護などでも生かすことができます。
まとめ
洞察力は非常に強力な武器です。できる人は見えていてできない人には見えていない世界の差を利用すれば、さまざまなことができます。願わくば悪い人ではなく、世をより良い世界に導こうという人たちに広めていきたいと考えています。