洞察力を鍛えるコツ

「洞察力」はどうやったら鍛えられますか?
「洞察力」には大きく分けて2つのポイントがあります。
それは「観察する力」すなわち「観察力」にあたるものと「推察する力」です。
洞察力がない人は残念なことに「営業」だけでなく「恋愛」「人間関係」など様々なところで問題を抱えます。コミュニケーションの基礎に「洞察力」があるからです。
洞察力を鍛えるにはどうしたら良いですか?
という質問がよく寄せられます。
「洞察力」は「就活」「婚活」などを成功裏に終わらせるためにも欠かせないスキルなのです。
洞察力を鍛える前に
まず洞察力を鍛える前にやっておくことがあります。それは自分自身の心理的な体制を整えるということです。
「おばけがでるかもしれない」
という気持ち(心理状態)で風に揺れる白いカーテンを見ると「おばけだ!」と反応してしまうかもしれません。私たちは心理状態によっては誤った判断をしてしまうからです。それが洞察力の低下を招きます。洞察力を鍛える前に洞察力を発揮しやすいコンディションを作ることがとても大事です。
営業マンなら
営業マンなら洞察力を発揮する前に「売れないかも」という気持ちを払拭しておく必要があります。なぜなら「売れないかも」と思うほど相手の顔は厳しく見え、状況は良くないように思えるからです。洞察力を鍛えても相手に「厳しい顔」をさせてしまったらそれを読み取ってしまいます。鏡に映った自分の姿に怯えることが洞察力を発揮することを妨げるのです。
親なら
子どもに問題を抱えている親ならば、「この子はダメかも」という気持ちがあるままでは洞察力が発揮されません。子どもの些細な良いところ、良い兆候を見逃して、「ダメなところ」を強調して洞察力を発揮するからです。
洞察力を鍛える前にする必要があること
洞察力を発揮する前に自分自身の心理状態を落ち着けて、感情的に反応してしまうことのないような状態を作り出すことが欠かせません。ここではそのポイントを3つに絞ってご紹介します。
- 相手をよく見て、自分の思考を止める
相手をよく見て、相手の話をよく聞いていると意識が自分の外に出るので自分自身の思考が回りにくくなります。真っ白な頭で観察をしている方がより良い洞察ができるようになります。 - 呼吸を安定させる
呼吸の乱れが洞察力の低下につながります。深呼吸とまでは言いませんが、落ち着いたゆっくりとした呼吸をしながら相手を捉えることが重要です。 - 情報ではなく感情を追跡する
人は情報を話しているように見えますが、実は感情を理解して欲しくて話をしています。相手が話す細かい情報に惑わされずに感情を追いかけることがとても重要になります。
洞察力の鍛え方
洞察力を発揮するためにまず欠かせないのが「観察力」です。
「洞察力」とは「観察力」と違って表面的な反応を見るものではありません。しかし、表面的な反応からさまざまな心理を読み取ることを目的とする洞察力を鍛えるためには観察力は欠かせません。
日常的に観察力がない人は推理をしてもそもそも事実とずれた妄想のような推理をすることしかできません。推理をする前に最低限の情報を観察することは必須です。
観察の基礎
9割の方は相手をよく見ていると自覚していますが、テストをしてみるとほとんどの方が相手をよく見られていません。むしろ、9割の人が相手を見ずに想像上の相手に対してコミュニケーションをとっています。
- 相手が首を左右に振りながら「いいね」と言っているのにその反応をYesだと思ってしまう。
- スマホをいじりながら聞いている相手に必死にしゃべっている。
- 「お箸をおつけしますか?」と質問をしたのに相手を見ていないからうなづいたことに気づかない。
観察ポイントは非常に多岐に渡ります。
その観察によって得た情報をもとに推測をすることで「洞察力」を発揮することができます。
まずはその基礎として、観察力を鍛える必要があります。
観察力の鍛え方
コミュニケーションの際に相手の顔や身振りをよく見ることは当然ですが、観察力を鍛えるにはまず「観察するべきタイミング」を知る必要があります。どのタイミングで観察するのが有効なのか?それにはいくつかのパターンがあります。
- 初対面で挨拶を交わした瞬間
この瞬間に相手がどんな印象を持っているか?コミュニケーションにどれだけ参加しようと思っているかをはかることができます。 - 自己開示(自己紹介)をした瞬間
自己開示をした瞬間に相手を観察するとどんな風に受け止めているかを察することができます。興味を示してくれているのか?関係ない話だと思っているのかを仕草や表情、呼吸などから読み取ります。 - 昔話をした瞬間
昔話をし始めた瞬間、相手はどんな反応をするでしょうか?「ああ、あるある」と同調し、共通点を喜ぶような反応をするのか?「私には関係ないですね!」という反応なのかによって、その人の属性を知ることができます。 - テストクロージングの時
営業でのテストクロージングの時や重要な話をし始めようとしている時の反応は洞察につながる観察結果をもたらせてくれます。この反応がこれからの会話の流れを変えます。
推理力の鍛え方
推理する力が素晴らしいのは「営業マン」「警察官」「面接官」などある一定のパターンで人と関わり続けている人だと言えます。似たようなパターンを見ていく中で推理力が徐々に鍛えられ、頭の中でパターンが作られていくからです。「だいたい、こういう反応をする人は3ヶ月でやめてしまう」のような感覚が非常に重要です。
洞察力を鍛える時に注意すること
慣れが洞察力を低下させる
一般に洞察力がない人は相手の変化を見逃してしまう傾向にあります。パートナーの髪型の変化に気づかないでトラブルになることもあるかもしれません。「知っている」という思いや「慣れ」が洞察力を低下させ、洞察力を鍛える時の妨げになります。
洞察力とは木を見ず、森を見ること
木を見ていると細かいところに木が入ってしまい、森全体を見落としてしまいます。人は眉間にしわを寄せていても必ずしも話がつまらないとは限りません。眉間にしわを寄せながら、脇腹をおさえているかもしれないからです。「話が面白くないですか?」ではなく「お腹痛いですか?」と反応するべきなのかもしれないのです。
ある先入観で偏った見方をしていると「洞察力」は発揮できません。むしろ一方的な偏見、先入観になってしまい誤解を生んでしまいます。
森を見るためには目の使い方を変えます。
木をじっと見る見方ではなく、左右上下に意識を傾けて周辺視野を使うようにして、見るとはなく木を見るのです。
大勢で実践する洞察力の鍛え方
洞察力を鍛える最も良い方法はトレーニングを受けた指導者に都度アドバイスをもらいながら見えていない部分、察していない部分を明らかにしていく方法ですが、動画を使っても似たようなことができます。撮影したコミュニケーションの場面を何度もなんども再生しながら、話し手にその時の心境、意図などを明らかにしてもらいながら心情を読み取ろうとします。
答え合わせをすることで「洞察力を鍛える際の注意点」をクリアしながら、癖や先入観を排除していくことができます。