空気が読めない男が両親の前で・・
洞察力講座に絶対に出た方が良い男
私たちには暗黙の了解というものがあります。それが「空気」「察する」「洞察する」という言葉で表現されることもありますが、それができないことが時として大事な家族やパートナーに恥をかかせることにもなります。
結婚のプロポーズかと思いきや
半年ほど付き合った彼が、プロポーズもなしに「今度家に行こうかと思っている」と言ったので、私はてっきり結婚の挨拶だと思っていました。もともと無口な人だったので、改めてのプロポーズなどは期待してはいけないなと気を取り直して、実家に行く日を決めて待ち合わせすると、かなりラフな服装で現れ、手土産もなし、そこでもまた、フランクに行こうとおもっているんだなと自分を納得させました。両親にも彼が結婚の挨拶に来ると伝えており、父も母も朝から緊張してそわそわしながら待っていました。
私が彼を連れて戻ると、彼はこんにちは~と元気にあいさつして玄関から続く庭のほうに歩き出しました。「いや~これですか、りっぱですね」と庭の梅の木をやたら褒めており、私たち家族はとりあえず上がってと促すと、いえいえ、このままでお構いなくと、私に梯子を持ってくるように言いました。
どういうことかと聞くと、少し前に私が家の梅の実がそろそろなるころで、梅酒を作るとすごく美味しいと話したことがあり、その時にじゃあ今年は作ってみようかと話したことがあるのですが、それを、勝手に梅の収穫に行くということに決めており、その訪問のつもりだったというのです。
一気に力が抜け、父と母にも伝えると、母は大笑いしてすぐに収穫の準備をしてくれ、あれこれ作業を教えだし、父はしばらく無言でしたが、私にぽつりと、「どこがいいんだ?」と聞いてきました。
言い返せない私
もともと、無口な彼に私が一方的にあれこれと話題を振って会話を進めているスタイルだったのですが、彼も興味があることなら結構会話も弾むので、それなりにコミュニケーションは取れていたのですが、結婚を意識して付き合っている矢先の実家訪問だったので、私ももっと詳しく真意を聞けばよかったのだと思います。
彼も彼で、そんなに梅に食いついていたのならもっと積極的に自分から収穫がしたいから実家に行きたいということまで言わないと、彼女の家に初めて訪問する人にしては緊張感も礼儀もなさ過ぎて呆れました。父の一言も納得でき、何も言い返せない自分がいました。