鈍感上司
怠惰で適当な勤務状態の上司
以前勤務していた職場で、所属エリアの営業成績や業務進行などをまとめる事務をしていたときの話です。私の直属の上司は、エクセルやワード、パワーポイントといった、事務業務をするのであれば必要不可欠なアプリケーションを始め、タイピングすらあやしい人でした。
怠惰で適当な勤務状態で、彼女は頻繁に最終チェックをミスし、そのとばっちりがいつも全て私に回ってきていました。繁忙期のある日、ストレスと疲れが溜まりフラフラになりつつも必死に笑顔を作り1日を耐えていると、その上司に「あなたは本当に頑張り屋さんね。その元気と笑顔はどこから湧いてくるのかしら。もう1件お願いできる?」と言われました。
誰のせいでいらない仕事をさせられているの?
誰のせいでいらない作業をさせられているのか。私のことをただの仕事好きだと思っていたのか。必死に作った笑顔の間に見せる疲れた顔にも気づいて貰えていなかったのか。日々、少しづつ「おかしいですよ」ということを表情や発言で伝えてきたつもりでしたが、彼女には何も伝わっていませんでした。
人が日常生活で見せる、ささいなしぐさや表情には、たくさんの思いがこめられているものです。
上司という立場ならなおさら、部下の様子をもう少し気にして欲しかった、と非常に残念でした。
さすがにこの件で嫌気がさし、半年後、私は退職しました。
洞察力がないと頑張ってくれている社員を失う
「部下の様子にもう少し気を使って欲しかった」
上司の視点ではなく、部下が見ているその視点をわかってあげられるとおかしな揉め事が少なくてすみます。メンタル不全で休職する方や退職した方とお話をしていると多くの人が半年以上前からサインを出しています。時には「つらいです」とはっきり言っていたりします。しかし、会社の方はそれを見過ごしてしまうのです。
洞察力はそれほど難しい技術ではありません。そして、それがないのにどんなに言葉を工夫してもなかなか相手とわかりあうことはできません。いわゆる「空気が読めない」人には必須のスキルではないでしょうか?